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アイデアにんべん

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未来へのカラハーイ(羅針盤)

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「昔はね…」「戦前はね…」。

久高島で暮らしている絵描き・山崎紀和さんは、

常日頃、おじい、おばあの問わず語りを耳にします。


ある時「戦前の灯台はね、木の電柱を3本組んで、

桟木を打って、上にランプを置いたんだよ」と言うのを、

鉛筆で描いて、話の主に見せたそう。

「とーとー、こんな感じ。

それでね、ランプは四角くて、四面ガラスで…」

また描いて見せて、もっとこうだったを経て、

絵の中で、戦前の灯台を蘇らせました。

現物がないかと那覇の骨董品屋を巡り、

買って帰っておじいに見せたたら、

聞き描きしたランプとおどろくほど似ていたと言います。


もしかしたら写真には残っていない風景を、

絵であれば再現できるかもしれないと、

彼は時間ができればおじい、おばあたちに

話を聞きに行くようになりました。

描いて持ってくと、こうじゃないと言う時もあって、

そういうことを経て近似値にもっていく作業を続けました。

「とーとー、似ているねー」がOKサインです。


とにかくどんな「点」でも集めよう、絵にしよう、としてきた

その経過報告のような展覧会が、

桜坂劇場・ふくら舎で催されます。


昔の暮らしを浮かび上がらせていくことは、

私たちがこの先を生きてゆく上での

ひとつの指針を示すという思いから、

タイトルは「未来へのカラハーイ(羅針盤)」に。


案内リーフレットの制作を担当させていただきました。

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by idea-ninben | 2016-09-15 22:15 | 工芸と文化
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