久高島で暮らしている絵描き・山崎紀和さんは、
常日頃、おじい、おばあの問わず語りを耳にします。
ある時「戦前の灯台はね、木の電柱を3本組んで、
桟木を打って、上にランプを置いたんだよ」と言うのを、
鉛筆で描いて、話の主に見せたそう。
「とーとー、こんな感じ。
それでね、ランプは四角くて、四面ガラスで…」
また描いて見せて、もっとこうだったを経て、
絵の中で、戦前の灯台を蘇らせました。
現物がないかと那覇の骨董品屋を巡り、
買って帰っておじいに見せたたら、
聞き描きしたランプとおどろくほど似ていたと言います。
もしかしたら写真には残っていない風景を、
絵であれば再現できるかもしれないと、
彼は時間ができればおじい、おばあたちに
話を聞きに行くようになりました。
描いて持ってくと、こうじゃないと言う時もあって、
そういうことを経て近似値にもっていく作業を続けました。
「とーとー、似ているねー」がOKサインです。
とにかくどんな「点」でも集めよう、絵にしよう、としてきた
その経過報告のような展覧会が、
桜坂劇場・ふくら舎で催されます。
昔の暮らしを浮かび上がらせていくことは、
私たちがこの先を生きてゆく上での
ひとつの指針を示すという思いから、
タイトルは「未来へのカラハーイ(羅針盤)」に。
案内リーフレットの制作を担当させていただきました。
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