
シーサーというと陶製のものや漆喰シーサーなどを
イメージするかたが多いと思いますが、
沖縄では昔、村落の入口などに災いを防ぐためにと
琉球石灰岩を手彫りした石獅子を設置していました。
これらの石獅子は“村落獅子”と呼ばれ、
城や神社などにある獅子とは違った素朴な味わいをもっています。
屋根獅子や門柱に設置されたシーサーの
ルーツではないかといわれています。
スタジオde-jinの若山大地さんが石獅子に惹かれたわけは、
「なんといっても沖縄の普通の人たちが
(多分)自分たちのためにつくったものだというところ。
村落獅子には、お城や寺院などの獅子にあるような
精巧な造形は一切ないけれど、
願いだけで純粋につくられた体温を感じます。
石に目と鼻と口さえあればそれでオッケー!
というような愛嬌とともに、
琉球石灰岩の持つ強さがストレートに迫ってきます」


また、「調べる」ことを仕事としている
大地さんのパートナー・恵里さんを隊長に、
家族4人で沖縄じゅうに残る石獅子を探索してる若山一家。
これまでにたどりついた村落獅子の数は92体。
獅子ごとに歴史があり、ものがたりがあるそうです。


リーフレットの制作依頼をいただいた日、
こんなお話を聞かせてもらった瞬間から、
石獅子のおもしろさに開眼していきました。

もちろん沖縄で暮らしていれば石獅子の存在は知っていたから、
知っているつもりがまったく知らなかったという驚きとともに…。

小さなリーフレットに、石獅子と若山一家のおもしろさを
「精巧な造形」なしに詰め込みました。

興味をもたれたかたには、何部からでも発送するとのこと。
スタジオde-jinまでご連絡を。
写真:スタジオde-jin
イラスト:若山恵里
企画構成・編集・デザイン:アイデアにんべん